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ディレクターの鳥山氏自らそのゲームデザインについて語った「The Crystal Myth and FFXIII」をレポ
日付:2010/03/14 アクセス回数:1504
2010.03.14
4Gamerによりますと、今や世界的なビッグブランドといっても過言ではない「ファイナルファンタジー」シリーズだが,その最新作「ファイナルファンタジーXIII」(以下,FF13)でディレクターを務めた鳥山求氏が,GDC 2010にて講演を行った。
講演の題目は,「The Crystal Myth and FFXIII」(クリスタル神話とFF13)というもの。いわゆるストーリー設計やシナリオライティングにフォーカスした内容かと思いきや,大規模化した開発体制がゲームのシナリオ制作に与えた影響や,ブランド力を生かしたコンピレーション展開(※)。そして,自ら「ストーリードリブン」だと語るFF13のゲームデザインのメリットとデメリットなど,話題が多岐に渡る興味深い内容となっていた。
ちなみに鳥山氏は,FF13でディレクターを務めると同時に,シナリオも担当しているなど,スクウェア・エニックスを代表するクリエイターの一人だ。スーパーファミコン時代に「ファイナルファンタジーVI」や「バハムートラグーン」といったタイトルに携わっているほか,プレイステーション発売以降では「ファイナルファンタジーVII」「ファイナルファンタジーX」などの制作に参加。シナリオライターやイベントプランナーを経て「ファイナルファンタジーX-2」ではディレクターに抜擢された,比較的若いうちから頭角を現してきた人物である。
講演が開始されると,鳥山氏は,まず自身の経歴に簡単に触れていきながら,「スーパーファミコン時代は職種の垣根なく,みんなで(シナリオの)アイデアを出しあって,それをシナリオライターがまとめて形にするというやり方がが主流でした」と語り始めた。
開発チームが小規模だった時代は,お互いに顔が見えた。意見交換する場もあったし,シナリオの練り直しや方向転換も(大変とはいえ)可能だったので,多少厳しくても「後は努力と根性でカバーする」というスタイルで,なんとかなっていたのだという。
しかし,3Dグラフィックスの導入などをキッカケに開発チームは急速に大規模化していく。ファイナルファンタジーVIIの時点で,すでに200人規模の人員体制になっていたそうで,プログラマーやグラフィッカーなどは専門性が高まっていき,分業化も加速。さらにファイナルファンタジーXで,モーションキャプチャやキャラクターボイスが導入されるにあたり,「シナリオの途中変更がとても難しくなった」そうだ。
というのも,例えばシナリオが変更になれば,当然キャラクターのしゃべるセリフは変わるし,ゲーム中の演技(モーション)も変更しなければならない。場面に使うサウンドも,もちろん付け直しとなる。つまり,シナリオ変更によって発生する作業量が,以前とは比べ物にならないくらい膨大になってしまったのだ。
「このような制作環境/制作フローの変化に伴って,ゲームシナリオもまた,高度な専門性が求められる要素になっていきます。なぜなら,制作のやり直しを発生させないように,開発初期の段階に高いレベルでFixさせなければならなくなったからです」と,鳥山氏は言う。
こうした制作環境の変化に対して,スクウェア・エニックスは,シナリオライターを組織化(チーム化)することで対応したようだ。このチームが会社の各タイトルのシナリオを集中して担当することで,物語のクオリティ水準の引き上げ,開発のロスを最小限にする意図があったという。主にファイナルファンタジーシリーズについての話だとは思うが,スクウェア・エニックスにおいては,シナリオ制作が「開発の上流工程」として位置づけされているようだ。
RMT-WIRED編集いたしました
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